2018/03/04

ホメオパシーの治療って?

わたしは日本でホメオパシーの治療を受けたこともなければ、学校に通ったこともなく
日本語のホメオパシーの本をほぼ読んだこともない状態で
インドにすっ飛んで行ってしまったので
日本の人たちがホメオオパシーにどんなイメージを持っているのか
どんな風に捉えられているかもほぼ分かっていません

わたしのホメオパシーは生粋のインド生まれのインド育ちであるため
日本の人とホメオパシーについて話をすると、ビックリすることがしばしば

漢方みたいなものですか?
うーん違います

アーユルヴェーダみたいなものですか?
うーん違います

何にも例えられない、ホメオパシーはホメオパシーなんですね

インドでは、患者さんたちは現代医学(以下、アロパシーと呼びます)の病院に行くのとまるっきり同じ感覚でホメオパシーの病院に行きます
生後間もない赤ちゃんから、今生の生を全うしようとしている人生の大先輩方まで
喉が痛いから、発熱したから、お腹が痛いから、関節が痛いから、心臓が痛いから、落ち込んで何もできないから、眠れないから、アレルギーだから、ガンだから。。。


(↑わたしがインターンをしているホメオパシーの大学病院の外来受付の様子)

アロパシーとの違いは、まずもっと問診に時間を割くこと
ホメオパシーは病名ではなくて、『兆候と症状』に基付いて処方をするから

治療の仕方はホメオパシーの独自の方法で作られた薬を飲むだけ
日本や西欧ではレメディと呼ばれているようですが、インドではHomoepathic medicine(薬)と呼ばれています
この薬は基本的に自然のものからできていて、高度に希釈され震盪を与えられています

ホメオパシーの治療中は、食事制限はガンの患者さんを除いてほとんどありません
薬の種類によってコーヒーを避けた方がいいものもありますが(Acon.やIgnatiaなどコーヒーで悪化するもの)、インドではそれ以外の薬を摂取する際にコーヒーを制限をすることはありません

「決められた時間に決められた量の薬を飲む」
治療はいたってシンプルです

ホメオパシーの薬はアロパシーの薬のように飲んでいる間だけ作用するものではないので、飲んだ後しばらく経過観察の時間をとります(LMポテンシーを除く)
この間に薬の作用(症状を一旦悪化させるような)が先に起こり、それに反応してそれと真逆の方向の反応(症状を良くするような)を身体が起こして、治癒が完了します

ホメオパシーの治癒とは、症状を抑え込むことではなく、症状の原因となっている根本の改善なので、ホメオパシーで「治癒した」と言った時には、ホメオオパシーの薬さえもいらなくなります
よってホメオパシーでは「薬漬け」とか「死ぬまで薬を飲み続ける」状態はあり得ません

また「ヘリングの治癒の法則」というものがあって、
治癒の過程で、症状は
①上から下へ
②内側から外側へ
③より重要なものからそうでないものへ
と順に治癒が起こっていくのです

例えば
①湿疹が最初顔に出ている→顔が良くなったと思ったら手足に出てきた→手足も良くなった(これが上から下へ治癒が起こっていく)
②過去にアトピーをステロイドで抑圧した人が喘息になった場合→喘息の症状が良くなると同時に昔のアトピーの症状が出てきた→アトピーも良くなった(気管支や肺という体内の臓器から皮膚という外側の臓器へ治癒が起こっていく)
③肝臓ガンを患っている→肝臓のあたりの皮膚に帯状疱疹ができてきた→肝臓ガンは治癒→今一番辛いのは帯状疱疹→ 帯状疱疹も治癒(肝臓というより重要な臓器から皮膚へ治癒が起こっていく)(肝臓に1cmの傷を負うのと皮膚に1cmの傷を負うのでは生命維持における重篤さが異なる、そういう意味での”重要”です)

したがって、これらの反応が起こった時、ホメオパスとしてはガッツポーズです
患者さんは良くなり始めたのですから
ただ皮膚に痒みの症状が出てくるとそれはそれで大変辛いようですが、そこを乗り切れば完治が待っています

またホメオパシーでは、『病気』を治すのでなく『病を患っている人』を治すので、頭から足の先さらに精神まで全部をまるっと考慮して、一種類のレメディを選びます
だから今相談している症状に関係ないと思っても、精神面も含めて全部気になることを教えてくださいね!

治療の期間は人や症状の程度にもよります
冷えてから発熱、雨に濡れて発熱、などとその症状を引き起こす原因にどれだけ晒されていたか
それが短ければ短いほど、治療期間も短くなるでしょう

ホメオパシーの治療は「玉ねぎの皮を剥くように」行うと師匠はよく言います
慢性病を患っている患者さんは、その状態を引き起こす原因が何重にも重なっていることが多いのです
そう言われてもイマイチピンとこないと思うのですが、例えばそれが4層の玉ねぎだとすると
1番外側の層:寝不足、食べ方の問題、働き方の問題、天気や気候や環境からの影響、突然の強い感情など
2番目に外側の層:身体的・精神的トラウマ、アロパシーなどの治療による症状の抑圧の経歴(ピル、ステロイド、抗生物質、痛み止め、解熱剤etc.)、既往歴、予防接種など
2番目に内側の層:マヤズムと呼ばれる親や祖先から受け継がれた、ある特定の病気になりやすい傾向(Psora, Syphilis, Sycosis)
1番内側の層:その人が持って生まれた体質

まず外側の層にアプローチして、その層が外れないと、次の層に取りかかれません
そうやって順番に層を一つずつ剥がしていく

わたしは2012年11月にインドに来てから、風邪を引いた時、生理不順の時、痔になった時、多嚢胞性卵巣腫と診断された時、頸椎症と診断された時。。。全てホメオパシーで師匠に治療してもらっていて
つい最近処方してもらった薬が、「子ども時はこれだったな」とずっとわたしが思ってたものでした
確かにそれを飲んでから、小学生の頃に感じた腹痛とか、いろんな症状が戻って来ています
それなのにこの精神の晴れやかさがすごい!
わたしは子どもの頃から大病はなく、予防接種は一通り受けたものの、アロパシーに積極的ではない両親のもと育ったので、大して抗生物質を摂ったこともないし、解熱剤や痛み止めはほぼゼロだと思います
マヤズム的にも、ガンは祖母だけで、あとは母方がリウマチ痛風体質程度で、そんなに大したことないと思うのですが、
それでもこの1番内側の層にたどり着くまでに約6年
昔は風邪をひくと大体副鼻腔炎になってしばらくティッシュが離せないような感じだったけど、最近はレメディをすぐ飲むのもあるけど、ほぼ数日でスッキリ完治するように
今まで人生で一度も皆勤賞がないくらい風邪を引きやすかった(無理してまで行くほど学校が好きではなかったものもある)のが、最近はそれもめっきり減って

師匠の患者さんは5年とか10年レベルも結構いて
家族全員診てもらってるとかも多々

最近自分も患者さんを診ていて、家族丸ごとやらせてもらえると、いろんな背景がすっきりと見えてくるのでとてもやりやすいなぁと思います
日常の不調から慢性病までいつでも気軽に連絡が取れる、『おうちのお抱えホメオパス!』が理想の形かも

次はマヤズムについて
一例をあげると、最近診た症例で、日本人の赤ちゃんの化膿からの下痢の鼻水に発熱
この赤ちゃんはスーパーナチュラル志向のご両親のもとに生まれたので、自宅出産で、ビタミンK2シロップもとってなければ、今まで予防接種も受けていない
食事も大変気を使っているので、病気を引き起こすような有害なものはほとんど体内に入っていなさそうです
それでもこの赤ちゃんが最初に必要として、その赤ちゃんを治癒させたレメディは、ホメオパシーでいうところの抗マヤズム薬(2番目に内側の層を外すレメディ)
それだけマヤズムって根強いんだなと
ホメオパシーの父ハーネマンは「マヤズムによって引き起こされる慢性病は、どんなに壮健な人であっても抗マヤズム薬なしに治癒しない」と
赤ちゃんのお母さん曰く、その症状の一切がRSウィルスの感染にすごく似ていたということでした
そう生まれてから起こる乳児湿疹だったりRSウィルスの感染などというのは、もしかすると「わたしマヤズム持ってるから治しておくれよ!」という身体の訴えなのかもとこの症例を診ていて思いました

一見大したこともないように思うかもしれない不調を一つ一つレメディで治療して行くと、いつの間にか外側の層がすっと外れて、内側に近づいていくように思います
ホメオパシーの治療を始めると、どんどん新しい症状が出てくるように思うかもしれないけど(薬の選択が正確でない場合、その薬の作用としてそれらが出てくる場合もあります。要注意)
内側にあったものがどんどん外側に出て来ている可能性があります
したがって、慢性病の完治はやはりある程度時間がかかります
(わたしのやり方では、診察は1〜2ヶ月に1回程度をゆるーく継続してくような感じです)

解毒や予防にホメオパシーという使い方も多いようですが、
ホメオパシーの基本はどこまでいっても「今現れている兆候と症状に基づいて薬を選ぶこと」
アロパシーの薬で症状を抑え込んでいる状態、ピルによって自然な生理が起こっていない状態などは本当の症状の姿が見えないので、とっても薬を選びづらいです
その場合その状態をありのままの本来の状態に戻すまでに、時間がかかってしまいます
戻ればまだいい方で、それによって他の病気になってしまうことも。。。
ホメオパシーで解毒できるからとりあえず予防接種打っちゃおう!という考え方には、😰
毒は入れないにこしたことがない
身体は傷つけないにこしたことがない
と思っています
その有毒性が分からなかった場合はもちろん仕方がないと思います!(わたし自身も治療の過程で複数の予防接種の悪影響を解毒するレメディを摂りました)

また日本とインドの差異なのかわかりませんが、「どうして私このレメディなんですか?」問題
私の師匠は、『レメディの処方』以外は全く何も行いません
例えば患者さんの人生へのアドバイスとか、共感の姿勢を見せるとか、選んだレメディの解説を行うとか
これは私の解釈で、また師匠のスタイルの問題でもあるかと思いますが、師匠はレメディの力を何よりも信じているのだと思います
「あとは選んだレメディが患者さんを癒してくれる」
誰よりもそう信じていて、実際に彼の臨床40年近くそうだったのだと思います
日本のマテリアメディカを見ていると、レメディ毎の精神症状が大いに強調されていて、まるで〜占いのような印象を受けるものもチラホラ
確かにそこに面白みを感じやすいのも分かりますが、インド的処方からするとあくまで精神症状というのは身体症状に並ぶ一つの症状に過ぎません(症状の評価をする時には、精神症状に重きを置くこともあります)(私はほぼ必ず精神症状プラス身体症状の組み合わせでレメディを選びます)
自分に選ばれたレメディをネットで検索してみて、そこに書いてあることに一喜一憂はしなくていいのかと
それは『今の患者さんの状態』が必要としているもので、その層が外れればまた違うものが必要となっていくのですから
また聞かれたらなるべくお答えするようにしたいのですが、「どうしてそのレメディなのか」を一般の方に解説するのは結構難易度が高いなぁと
これまで学んできたものの全てがその処方に詰め込まれていて、それを理解してもらうためにはどこから説明を始めたらいいのか途方に暮れてしまう。。。というのが本音です
今でも私は師匠の処方の深さが分かっていないなぁと思うことがしばしば


さてさて大変長くなってしまいましたが
非常にシンプルでありながら深い治療を行うホメオパシー
最近は日本の患者さんたちにも最初の処方からその効果に喜びの声を聞かせていただくことが多く、ホメオパシーって本当にすごいなぁと感嘆することがしばしば (これまでアロパシーの治療をたくさん受けている人でも)

まずは花粉症にも!
いつでもお声がけください^^
必要なところにホメオパシーが届きますように!




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