2017/12/26

奇跡のような毎日

元ルームメイトに言われました
「didi(hindi語でお姉さんの意)、試験前はそんなに勉強してなかったのに、インターンシップが始まってから勉強忙しそうですよね」

勉強してますアピールから始めます
2017年の締めくくり!

というのも、ほんとになぜ試験をパスできたのか謎なくらい、ほとんどついていけてなかった特に一年目の解剖学と生理学。。。
臨床始まって、その医学の基礎知識の大切さが日々痛いほど身にしみてます。。。

というのも、インドではホメオパシーはほんとにほんとの医学として人々に認識され、実践されているので
「まじで、これもホメオパシー?しかもインターンのわたしが診るの?」
な症例がたまにやってきます

わたしが通う大学National Institute of HomoeopathyはKolkataの行政区?のようなところにあって、診療は最初の登録料5ルピー(約10円)のみ、あとは薬代も含めて無料!
Instituteなので、研究機関でもあるようです
Materia Medica科の大学院の先輩たちは、Materia Medica Puraに記載されてある症状が実際に臨床で効果が得られるのか、やってくる患者さんで検証中だそう
Pharmacy科ではこの前Drug provingもしてたようです

そう、無料なので、なのか他に理由があるのか、患者さんはWest Bengal州の方々からやってきます
時にバングラディッシュからとか、列車で5時間かけてやってくるとか
外来は午前中しかやってないので、前の日入りして学校の敷地内で野宿して待つとか
そして患者さんのほとんどはたぶん高等教育は受けていないので、たいていベンガル語しかしゃべりません(日本人もほとんど日本語しか話さないけど)
この一ヶ月で80人くらい診察して、英語で問診できたのは1回だけ

そんな患者さんたちは、なんというかとてもピュアというか
精神面においても、症例としても、なんか手付かずというか

これアロパシーの病院いったら速攻入院だよね
みたいな症例でも、本人全然認識なくのほほんとやってきたり
 ↑dancing carotid
便に寄生虫が時々出てくるのよね、ちっちゃいやつよ
とさらっという人が結構多くて、昭和生まれ平成育ち日本人のわたしは結構衝撃を受けております

住んでればしゃべれるようになるよと言われ続けて早5年のわたしのベンガル語。。。
そんな患者さまたちなので、とにかくわたしがベンガル語を話してコミュニケーションをとるしかなく
正直多分1歳か2歳児程度のベンガル語レベル。。。いやそれ以下かもしれない
それでもほとんどイライラせずに、一生懸命症状を伝えてくれる患者さんたち
さらには、後ろで列をなしている他の患者さんたちが、ベンガル語からベンガル語への通訳をしてくれたり
毎日随所でわたしの必死なたどたどし過ぎるベンガル語に笑いが起こりつつ
(この前「血液検査してね」って言いたかったのに「血液掃除してね」って言っちゃったw)
最後はありがとう的な雰囲気を出して帰っていってくれる

奇跡のような毎日です
こんなに病変のある症例を見られること
医師として診察ができること
ベンガル語で患者さんたちとコミュニケーションをとっていること
ホメオパシーにfaithと情熱を持った人たちと議論できること
約200年近く前に実践されていたHahnemannの叡智が今もそのままの形で生きて人を癒していること
そしてその機会を与えられたこと


普段師匠の診療を見ていると、処方箋を書く前に師匠が選ぶレメディが分かることもあって
なんだか自分もそこそこ出来るような気になってたのに、いざ自分で始めると、全然そんな風にいかなくて
いかに師匠のcase takingのスキルが高いか
レメディの知識を実際の症例に応用するスキルが高いか
愕然として落ち込むくらい

さらに大学院生や他の医師と同じ机に座って、めいめいに患者さんを同時進行で診て行くので、他の人の処方をみる機会もあって
今まで完全に師匠一筋で、授業や試験以外ではほとんど先輩や先生に教えを請わずにきたので、新鮮なのですが
うちの大学ではなかなかイケてる大学院生や先生の処方をみていると
わたしごときが偉そうに申し訳ないのですが
師匠の処方の精度の高さにまた唸らざるを得ないかんじ
ひどい先生は、種類の限られた大砲(Rhus tox., Bryonia, Nux vomica)をドカンドカンと、しかも方角違ってますよーな感じで打ちまくっているのに対し
イケてる先輩は野球のノックくらいの感じでしょうか
そして、師匠はまるで針に糸を通すくらいの精度でレメディを合わせていきます

自分の足りなさに気付かせてもらえること
謙虚にさせてもらえること
ありがたいことだなぁと思っています


そんなインターンシップ中の奇跡のような一瞬一瞬

わたしはインドへなんだか気がついたら来ていたようなかんじだったので、
というのは自分の猛烈な意志で来たというよりも、なにかに導かれて来たような流れで
そしていざ始まったインドでの日々は、皆さんがご存知の通り
わたしにとってはこれまで苦行以外のなにものでもなく
そのため、このインドでの日々は、どうも押し付けられたように思ってしまうことが多く
インドの人々を愛することもできず、ベンガル語にも一切興味が持てず
日本への帰国を願うばかりの日々で

それが最近、このインドでの日々は与えられたものであると、そんな風に思うようになりました
インターンが始まったからなのか、インド生活の終わりが明確になったからなのか
なのかなのか

まだまだろくに話せないけど、ガソスタの兄ちゃんたちにベンガル語でいじられたり
花屋のおっちゃんにベンガル語でお花の水やりの仕方を教わったり
そんな他愛もなさげなことに、ちょっとしあわせ感じたり
ベンガル語を話したらこんなに世界がラクになって広がっていくんだなって
それでかインド人へのイライラもだいぶ減ったかも

残り約10ヶ月、必死に追い上げていかなければいけなくて
今の自分の足りなさに焦りつつ

でも最近少し大人になったと我ながら思うのは、
「少し長い目で見る」という視点を持てるようになってきたこと
これまでは、「今がダメだとそれまでも全部がダメになってしまって、これからも全然ダメだ」的な思考パターンになりがちだったけど
いい時もあればダメな時もある
今がダメでもこれからがダメとは限らない
自分の努力やカルマや神の意志次第で変わりゆく流れの中にいるのだと
思えるようになってきたこと

といっても解剖学の教科書広げるとやっぱり焦りまくりなのですが
神さまのキャスティングはいつもすてきで、助けてくれる人がいつも誰かしらいてくれるので
わたしもしっかり与えてもらったわたしの役を演じきれますように
いつも人に助けてもらう役ではなく、たまには人の役に立つ役を果たすことができますように
インドでその力をしっかり養うことができますように

明日はイケてる先輩が寄生虫への処方についてカテキョしてくれるそうです(無料!)
寄生虫学の教科書開いたら、何も覚えてないという衝撃事実がまた発覚したけど
たのしんで勉強していこうと思います
↑外来の診察の合間に院生の先輩が個人的にやってきた学部生に個人的に教えてくれるの図


誰かとはしゃぐクリスマスもよし、一人でblogを書くクリスマスもよし
この一瞬はこの一瞬しかなく
どれもがわたしに必要で、与えられたもので
そこにいつも感謝と愛をそなえていられますように

生まれてから2017年まで肩にぎゅっと力を入れてやってきたわたしを一つ納めて
2018年から少し違うモードでやっていけるといいなと思ってます

今年、わたしに学びの機会を与えてくれた皆さま
どうもありがとうございました!

ホメオパシーに希望を見出し、わたしに信頼をよせてくれた、勇気ある人々によって
わたしは生かされているのだと思います

どうぞよいお年を♡
I pray for your health and happiness!!

↑今いるのはこんな耳鼻科の図



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