2016/03/01

ホメオパシーとインナーチャイルド

わたしは日本でいっさいホメオパシー医学を勉強してこなかったのですが、今のところ日本で一番大きなホメオパシーの団体はホメオパシージャパンさんというところみたいですね!
レメディも売ってるし、ホメオパシー関連の本の出版、学校経営。。。
わたしもインドからレメディを持って帰ろうとしたり、本の翻訳してみようと思ったりしてみる度に、前例のほとんどないことに挑む大変さにぶち当たります(めげそうになります)
これを一人でゼロから始めて、ここまで大きく発展してこられたこと
とらこさん、心から尊敬しています
なにより、とらこさんのすさまじい努力がなかったらわたしはホメオパシーに出会えなかっただろうと思うので!
まだ会ったことはないけれど勝手にめちゃ感謝しています!

さて本題に戻ります!
ホメオパシージャパンさんは人を癒すということにおいて
ホメオパシーの薬を用いる方法と
インナーチャイルドを癒す
という方法を用いているようです
(もし違っていたら教えてください!すみません!)

そこで日本では「ホメオパシー=インナーチャイルド」と混同されていることがあるかも?
ということで今日はわたしが今学んでいるインドホメオパシー医学をもとに書いてみます

【それぞれの起源】
○ホメオパシー医学
ホメオパシー医学という体系をこの世に生み出したのはDr. サミュエル ハーネマン
その理論を明らかにしたのは1796年”An essay on a New principle for Ascertaining the curative powers of drugs and some examinations of the previous principles”というタイトル長めのエッセー

○インナーチャイルド
一方インナーチャイルドはCarl Jungという方が提唱者と言われることが多いようですが、それをその方は”Wonder child”と呼んでいたようです
後にHush Missildineという方が”インナーチャイルド”という呼び方を始めたみたいですね。それが1963年のこと
この考え方を実際に治療に用いたのがDr. Lucia Capacchione。1976年のこと
(まいのWikipedia調べ https://en.wikipedia.org/wiki/Inner_child)

まずこの2つのものは違う起源であります

さらに生まれた時代を比べると、
ホメオパシー医学は約220年程昔から山あり谷ありで継承されてきたもの
インナーチャイルドは1976年とわりと最近生まれたもののようです

ホメオパシー医学とインナーチャイルドはその生まれも育ちも別のもののようです

全く別のものかというと
わたしはこれまたインナーチャイルドを全く勉強していないので、はっきりと申し上げづらいのですが(インドのホメオパシー医学の大学の過程ではインナーチャイルドは含まれていません。バッチフラワーすら含まれていません。心理学はちょこっとOrganonの中でやります。)
全く違うとも言えないかと

【病の原因に心の状態を考慮すること】
ホメオパシー医学は、”人間をただの物質である身体”と捉えているわけではなく
Vital force(ヴァイタルフォース=生命力のようなもの)の状態
精神症状
身体症状
のいずれをも治療をする上で考慮に入れます

ここはこれまでの西洋医学とは大きく異なる点で、ホメオパシー医学がホリスティクグループにひっくるめられる所以でしょう
では具体的にどう精神症状を考慮するかというと
2つの場合があります

1. 精神的なことが発症の原因であると考慮する場合
2. レメディを選ぶヒントとして精神症状を考慮する場合

以下詳しく説明してみます

1. 精神的なことが発症の原因であると考慮する場合
ホメオパシー医学の症状から薬を検索する辞典のようなもの、Kent Repertoryから引用してみます


Mind(精神)- Grief(悲嘆)- ailments, from(によって発症)
Aur., Caust., Cocc., Ign., Lach., Nat-m., Ph-ac., Staph. (←これらは薬の名前の略称です。)(一部抜粋)
悲嘆によってある症状(精神疾患でも身体疾患でも)が起こった場合はこれらの薬が候補に上がります


ほかにも
Excitement - emotional, ailments from(興奮した感情によって発症)
Joy, ailments from excessive(過剰な喜びによって発症)
Love, ailments from disappointed(愛に落胆することによって発症)
なんてものがあって

発症の原因がなんらかの精神的なトラウマである場合、それに準じた薬を選びます
(もちろんそれ以外に実際に発症している症状の特徴、その人の身体的特徴なども合わせて考慮する。たった一つの症状だけで選んでもレメディがヒットする確率は低いです)

2. レメディを選ぶヒントとして精神症状を考慮する場合
例えば、発熱している患者さん
ホメオパシー医学ではその精神状態もレメディを選ぶ上で1つの手がかりとします
発熱中、いつになくイライラしているのか、いつもよりさらにイライラしているのか、落ち込んでいるのか、泣いてばかりいるのか、一人ににりたがるのか、誰かといたがるのか、不安で落ち着かないのか、自分の身体の状態にお構いなく大丈夫と過ごしているのか、自分が今発熱していることを考えるとなぜかラクになるのかなどなど

病名に合わせて処方する薬を選ぶということをしないホメオパシー医学ならではの、精神状態の考慮の仕方かと

【類似点】
インナーチャイルドとかぶっているところがあるように思うのは、1の場合で特に幼少期のトラウマが発症の原因になっているとき


○でも治療の方法は違う
ホメオパシー医学ではレメディを飲むことによって、精神症状(身体症状がある場合はそれも)癒します
インナーチャイルドでは、そのトラウマに向き合うことによって癒すのかな?よくわかってません。すみません

師匠いわく、解消しきれない心の葛藤を抱えた人がガンの犠牲者になると(物理的原因によるガンを除く)
たしかに師匠の処方を見ていると、ガンの患者さんの治療の始めは、1であげたような心のトラウマレメディが多い

これは病へのアプローチとして方法は違えど、発想は近いものがあると思います

【相違点】
必ずしもイコールと言えないなと、わたしが思うところは
例えば、熱いお湯がかかって火傷した患者さん
それを治療するときにインナーチャイルドを考慮をする必要があるか
というとないわけです
心のトラウマがあろうとなかろうと、高温のお湯がかかればほぼ100%誰でも火傷するからです
ホメオパシー医学では、この火傷にも対応可能
他にも急性の怪我、風邪なんかもほぼ心のトラウマとは関係ないことが多い
高濃度の放射線を浴びてガンが発症した場合や西洋医学の薬を飲み続けることによって胃潰瘍になる場合など、物理的な原因による発症も、心のトラウマに焦点をあてるのとはまた違うアプローチが必要でしょう
これまたホメオパシー医学で治療していくことができます

【結論】
・それぞれ起源と歴史は異なる
・ホメオパシー医学では幼少期のトラウマを考慮に入れて治療を行うこともあるが、必ずではない
・それぞれ対象可能な疾患の幅が異なる(ホメオパシー医学は幼少期のトラウマを原因としない疾患にもアプローチ可能)
・それぞれ治療法が異なる(ホメオパシー医学ではホメオパシーの薬を飲んで治療を行う)


というかんじでどうでしょうか?
スッキリ伝わるといいなぁ。。。

(インナーチャイルドについてほぼ無知なのにこんな長々と書いてしまいました!おかしなところ、間違っているところがあればぜひ教えていたたければと思います!よろしくお願いします!)

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